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 No.1850号

2012年3月期中間決算㊤建材、住宅会社

震災混乱を乗り切る
住宅建設堅調で収益改善

大手住宅会社や建材メーカーの12年3月期の中間決算は概ね増収増益基調になった。東日本大震災があった3月には予想できなかったが、政府の住宅取得支援策や資材不足による製品価格の値上がり、工場稼働率の向上などで予想外に業績が好転したものとみられる。

 東日本大震災は、戦後我が国最大の事件ともいえる災害で、東京電力福島第1原発の事故につながり、原発被害の地域ではその復興に向けた見通しが、今日でも立たない状況が続いている。計画停電、電力供給制限など電力に対する不安が高まり、夏場までは東日本の生産工場の稼働の足かせとなった。他の原発も再稼働できないことから、この冬も一部の地域では電力供給制限を実施せざるを得ない状況が続いている。

 しかし、今年4~9月の住宅着工は43万2,760戸(前年同期比6.1%増)と需要面では好調で、液状化エリアなどで住宅販売が落ち込む以外は大きな下落がなかった。住宅市場の冷え込みが懸念されたが、比較的堅調な需要があったといえそう。

 震災の影響で、合板、断熱材、水周り設備、外装材、屋根など多くの資材が不足し、11年3月期には一部の住宅会社では完工引き渡しの遅れが出たが、これが12年3月期の中間期にずれ込んだ。資材では針葉樹構造用合板が980円と震災前から17%程度値上がりした。阪神大震災後のような急騰ではなく、自粛した商いで価格変動を抑えるとこができた。5、6月くらいには資材不足も解消に向かい資材販売なども東北の復旧需要などで回復し、東北エリアでは支店レベルで前年比2倍の売り上げを記録するところもあった。今後は東北地区では、復興需要も本格的に台頭してきそうだ。

 建材メーカーでは、大震災の影響は工場立地など個別の事情によって差が出た。住生活グループは水周り設備事業の受注停止による影響が大きく目標の売上高には届かず、事業統合による費用なども嵩み経常損失を出している。

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