連休明け市況展望
集成材・欧州材強気も国産材丸太値下げ
合板に引き締まり感なし
木材・建材は先行きが見通しづらい状況が続いている。住宅会社の受注は、大手は概ね好調だが中小工務店の仕事は低調で、ルートによる繁閑差が大きくなっている。
木材市況に直結するプレカットも、大手中心の動きになっており、最大手のポラテック(埼玉県越谷市、中内晃次郎社長)の4月度の外販受注は2,285棟で過去最高を記録、外販売り上げ2,069棟と過去2番目の好業績を残した。「3月20日以降、受注が急増している。この先、5、6月と仕事が出てくるようだ」と受注に手応えを感じているという。2、3月がやや低調だったことで今後の需要台頭を期待しており、プレカット業界全体に波及するものと見込んでいる。
3月の住宅着工は前年同月比5.0%増加したが、好調なのはマンションで持ち家は同2.3%減とやや低調。そのなかで2×4工法は同6.2%増と好調。プレカット関係者も2×4工法の好調さを指摘するなどやや市況感は異なる。
需要の先行きに不透明感が強いなかで、木材、建材市況もコスト高の要因は増加しているが値上げの迫力はない。Wウッド集成管柱は5、6月積みで5~10ユーロ(㎥)の値上げが打ち出され、Rウッド集成平角も4万8,000円(㎥、プレカット工場着)を底値にコストは上昇してくる。
国産針葉樹合板は、4月第3週に850円(枚)という安値を限定で打ち出し、その後、880円に戻すという販売戦略に出たところがあり、価格半転のタイミングを意向だ。集成材、合板ともに需要面での不安定さが販売価格の立て直し姿勢にも現れている。国産材関係も荷動きは鈍く、特に桧の丸太は製品の値下がりが顕著になってきた。
為替動向が円安から円高に再び振れ始め、外材の価格競争力が高まっていきそうだ。欧州材などのコスト高から来る値上げにどう影響してくるかが注目される。合板も輸入合板から値上げの動きが出始めている。国産針葉樹構造用合板の市況がやや停滞していることもあり、一気に相場半転とはなりにくいが、連休明けに実需が台頭してくると、市場の雰囲気が変わる可能性もあり、需要動向に関心が高まっている。
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