電子版ログイン

※会員の方はこちらから

 No.1947号

2014年3月期決算中間決算㊤建材・住宅会社

住宅着工増で好決算
過去最高収益相次ぐ

14年3月期中間決算は概ね増収増益で、過去最高の売り上げ、利益を計上した会社も少なくない。アベノミクスによる景気回復傾向にあることに加え、消費税率引き上げ前の駆け込み需要で売り上げが拡大した。リーマン・ショック以降進めてきた経営合理化による体質強化などで利益面でも高い収益を上げた企業も多いが、その一方で輸入木材などは堅調な需要があるにもかかわらず、過剰入荷でコスト高を転嫁しきれずに豊作貧乏となったケースもある。

  過去最高の業績となった企業も多い。住友林業は木材建材事業、住宅事業ともに好調で中間期として過去最高の業績を達成、3カ年計画で経常利益300億円を目標にしていたが、これを前倒しで実現できそうだ。大建工業も経常利益が前年同期比42.7%増で、過去最高となった。TOTOも売り上げ、利益ともに過去最高、新築、リフォーム向けとも好調だった。ニチハも4期連続で増収、過去最高に記録を更新した。

木材関係の上場企業は少ないが、天龍木材は増収したものの外材製品の仕入れ高で赤字化、名古屋木材も増収ながら仕入れ価格の転嫁の遅れで経常赤字となった。大日本木材防腐は輸入材を主力にしているが、増収増益で営業利益は倍増した。兼松日産農林も増収増益。乾式保存処理木材の処理がフル稼働し、原価上昇で営業利益は減少したが、地盤調査・改良のジオテック事業やセキュリティ機器など多角化を進めて全体では経常利益を拡大した。

 当中間期は需要環境に恵まれ、好決算となった企業が多いが、下期は消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動減がどのくらいあるか各社慎重な見方をしている。

記事ランキング

日刊木材新聞社 木造社屋紹介動画