電子版ログイン

※会員の方はこちらから

 No.1981号

接着剤研究

木質素材の可能性高める
製品原料・用途・コストで選択肢

合板や木質ボード、LVL、集成材、CLTなどエンジニアードウッド(EW)やフローリング、家具などの製造には欠かすことできない木質系接着剤。古くは1907(明治40)年に国内で浅野吉次郎が開発したベニヤレースの実用化が始まり、日本の合板創成期には大豆グルーやミルクカゼイン、ニカワなどの接着剤が使用された。その後、耐久性が向上するに従い家具や楽器以外の用途も拡大され、1950(昭和25)年頃には尿素系接着剤の開発が進むなど合成樹脂系接着剤の全盛期に入った。現在は、熱硬化型のホルムアルデヒド系接着剤として、ユリア樹脂系、メラミン・ユリア共縮合系、フェノール樹脂系が代表格だ。

 このほかに集成材に使用されるフェノール・レゾルシノール樹脂接着剤や水性高分子-イソシアネート系接着剤があるほか、木質ボード用の湿気硬化型イソシアネート系接着剤(pMDI)もある。さらに、フローリングや化粧合板用の2次加工用接着剤として、酢酸ビニル樹脂エマルジョン系、EVA樹脂エマルジョン系、ゴムラテックス系があり、床張りなどの現場施工にはウレタン系、ゴム系の接着剤も使用されている。

 日本の特徴は、2003年の建築基準法改正でシックハウス対策が厳格化し、世界一ホルムアルデヒド放散値が少ないF☆☆☆☆が規格化され、この基準に到達する接着剤が開発されてきたことだ。

 接着剤メーカーの製品開発と石油化学品を原料にしていることもあり、原料高に苦しむ実情、値上げの進捗など様々な課題を抱えている木質系接着剤メーカーの状況をまとめた。