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 No.2020号

決算特集①住宅・プレカット

反動減織り込むも業績低迷
貸家は相続税対策で健闘

2015年3月期の大手住宅会社の業績は、住宅着工の減少を受けて厳しいものになった。大手住宅会社は賃貸住宅や都市部の多層階、商業施設など戸建て注文住宅の減少をほかの分野でカバーできたかが業績に大きく影響した。大和ハウス工業は賃貸や商業施設、住友林業は海外の住宅事業が業績を支えるなど事業の多角化が奏功した。戸建て分譲に特化した飯田グループホールディングスは、決算期の変更などで前期との比較した数字は発表していないが、戸建て分譲住宅の在庫増に対応し供給調整してきたことで、15年3月期は苦戦、ようやく在庫調整から新規着工に向かっている。

 15年度の住宅着工は88万470戸(前年度比10.8%減)で約10万戸減少した。消費増税前の駆け込み需要の反動で着工が落ち込むことは、住宅会社は織り込み済みだったが、当初の想定よりも影響が大きかったという声が多い。持ち家27万8,221戸(同21.1%減)と30万戸を割り込んだこと。貸家は相続税対策で比較的堅調で35万8,340戸(同3.1%減)にとどまった。分譲住宅は23万6,042戸(同8.9%減)となり、そのうちマンションが11万215戸(同11.0%減)、戸建てが12万4,221戸(同7.2%減)だった。

 戸建て分譲住宅は、着工統計の数字上では大きな落ち込みとはなっていないが、完成在庫の増加により14年夏ごろから新規着工が抑制されてきたため、市場ではもっと大きく落ち込んだという感触がある。

 貸家は相続税課税対象が強化され、その対策として地価が比較的高い都市部などでは小規模宅地でも相続税が掛かるようになり、その節税対策として賃貸住宅や賃貸併用住宅の建設が増えた。従来相続税の課税対象にならなかった小規模宅地の地主などが住宅会社ほかが主催する相続税対策セミナーなどの影響を受けて需要を喚起した。

 主力の注文住宅は消費増税の反動減が続き、アベノミクスの政策効果も住宅1次取得者層の所得増加にはまだつながっておらず、回復は限定的だった。株高などの恩恵を受けた高所得者層に向けた都市部での併用住宅など金額の大きな物件は回復感があった。大手住宅会社では、こうした都市部の高所得者層などを狙い、3~4階建て住宅、賃貸併用商品などを投入し、需要を獲得した。

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