No.2027号
国産材A材需要は拡大するか
下級材需要は右肩上がり
農林水産省は林業の成長産業化を図り、国産材供給を2009年の1,800万㎥から20年に3,900万㎥へ倍増する計画を打ち出している。新たな木材需要の創出ではCLTの普及に向けたロードマップを作成、23年に50万㎥の生産体制の構築を目指している。また、木材利用ポイントや地域型住宅ブランド化事業、地域型住宅グリーン化事業など地域材需要の拡大や、林内に放置されている林地残材の積極活用による木質バイオマス発電、さらには木材製品などの輸出拡大などの戦略を打ち出している。
国産材需要は14年の素材生産量が1,991万3,000㎥(前年比1.4%増)と5年連続で増加した。内訳は製材用(A材)1,221万1,000㎥(同1.3%増)、合板用(B材など)319万1,000㎥(同5.8%増)、木材チップ用(C材など)451万1,000㎥(同1.3%減)。住宅着工は減少したが、A材需要は増加した。
国産材の需要拡大を図っていくなかで、木質バイオマス発電用のチップ需要が西日本を中心に高まっている。国産材輸出の活発化、低級材需要の拡大が丸太価格の引き上げにつながっている。
B、C材需要が拡大することで林家の手取り金額が増える傾向にある。しかし、国産材需要の拡大については、主力のA材需要の活発化が必要だ。日本の林業はそもそも製材用を意識した施業をしており、A材丸太の需要拡大と単価の引き上げがやはり重要な課題となっている。
国産材の需要分野ごとの展望と地域の現状をレポートした。
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