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 No.2056号

2015年レビュー①米加材、ロシア材、熱帯材

新築微増も外材低迷
ロ・熱帯材で過去最低入荷

15年の国内の新設住宅着工戸数は90万9,299戸(前年比1.9%増)と増加したが、米加材、ロシア材、熱帯材の輸入量はいずれも減少した。米加材丸太の入荷量は256万5,063㎥(前年比17.1%減)、米加材製品の入荷量は233万9,457立方㍍(前年比1%減)でともに減少となった。欧州産製材も減少しており、外材は着工増の恩恵を活かせなかった。

米加材の場合は、円安、米国西岸港湾の労使紛争、ファイヤークロージャー、中国問題などの波乱ぶくみの1年だったとも言える。政府の国産材支援策が徐々に効果を上げており、入荷の不安定さや為替変動がない国産材が徐々に市場を拡大していることも外材にとって脅威となっている。

米加材にとっては年初から問題となったのが、米国西海岸港湾労使紛争に起因する輸送の遅れだ。労使契約が期限切れになったことを機に、14年10月から港湾でサボタージュが行われ、米国西海岸29の港湾施設で荷役作業の遅れが出来する事態となり、日本向けは最大で2カ月以上もの遅滞が見られるケースもあった。

港湾労使紛争の次の問題はファイヤークロージャーだった。降雪の少なさ、春先の雨の少なさなどから北米沿岸部は空気が非常に乾燥した気候となり、山火事が例年よりも早い時期に、かつ大規模で発生した。一部の伐採地域では入山規制も行われ、7~9月までの原木出材の大幅減につながった。だが、15年の市場は総じて低調だったため、労使紛争による出荷の遅れも、ファイヤークロージャーによる原木減も、さほどの問題とはなっていない。

中国経済減速も、米加材市場に大きな影響を与え、米加材産地価格の3月以降の下落と丸太伐採抑制の要因となった。中国の港頭丸太在庫が急増して、対中丸太の出荷は大幅に減少したが、ロシア材、NZ材、欧州材は為替下落で輸出において優位となり、対中輸出量を伸ばした。

ロシア材の需要縮小も顕著だ。2015年は丸太入荷が主要3樹種(エゾ松、カラ松、アカ松)で15万㎥を割り込み、特にエゾ松の入荷減が際立った。15年のエゾ松入荷は1万㎥に届かず、16年はさらに減少する見通しだ。ロシア産丸太入荷は、07年のロシア政府による針葉樹丸太の輸出税率引き上げ措置の公表を契機に減少の歯止めが掛からず、米加、ニュージーランド(NZ)、南洋材の主要外材のなかで最下位となった。

 丸太入荷は回復の糸口が見付からない。14年は米ドルに対しルーブル安が進み、極東産エゾ松、カラ松丸太を中心に輸出の回復や拡大が期待された。15年もルーブル安が定着したが、入荷の減少を止めることはできなかった。日本では、ロシア材製材メーカーの丸太製材事業からの撤退が相次ぎ、製材用の受け皿そのものを失った。合板用は、杉や米松との競合で優位性を発揮しきれない。

南洋材丸太は15年後半に盛り返して大幅減はくい止めた。15年の熱帯材(南洋材、アフリカ材)丸太入荷量は24万8,100㎥(前年比7.4%減)となり、13~14年の前年比約1割減よりは下げ止めたが、過去最低は更新。そのうち南洋材丸太は24万3,300㎥(同8.5%減)で前年より2万2,500㎥減り、アフリカ材は4,800㎥(同71.6%増)で2,000㎥増加した。この南洋材丸太約17%減という数字は、奇しくも国内南洋材合板メーカーが競合する輸入南洋材合板の前年比17.3%減と合致する。

 注目すべき点は、主要産地であるマレーシア・サラワク産初の10万㎥割れに起因したサバ産との供給比率逆転であり、このサラワク産を補うかのようにパプアニューギニア(PNG)・ソロモン諸島産が供給量を回復させたことだ。

 米加材、ロシア材、熱帯材の2015年の輸入状況を取りまとめた。