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 No.2063号

国産材製材工場㊦

丸太用途拡大で安定確保難渋
工場大型化で高まる原木直納比率

 西日本の国産材大型製材工場は今後、原木の安定確保が課題になってきそうだ。九州などに顕著だが、木質バイオマス発電所が各地で稼働を開始し、海外への原木輸出も一定量が見込まれる。中国木材は国産材の従来の常識にはあてはまらない大型工場を立ち上げた。それに伴い素材生産量も拡大していけば良いのだが、山林の蓄積量はともかく、担い手、また再造林費用の不足に苦しんでいる。この状況にいかに対応していくかを考えていくことが必要になりそうだ。

一方、素材生産業者にとっては、販売先を選択できるようになったことを意味している。国産材大型製材工場は規模が拡大するにつれ大口顧客との取引が増え、原木の安定入荷体制の構築に取り組んできた。国有林の安定供給システム、また民間原木市場、原木商社などと連携して、近年は原木市場から直納比率を高めてきた経緯がある。だが、現在は発電、輸出などを含め、輸送距離や価格に応じて選択される側になりつつある。素材関係者などとの関係を再構築していかなければならないだろう。

新たな製材事業の展開として注目されるのは、製材・乾燥と発電の融合だ。中国木材日向工場(宮崎県日向市)、松本木材(熊本県荒尾市)、吉田産業(宮崎県日南市)グループなどが取り組んでおり、従来の製材事業の競争条件を根底から覆してしまう可能性がある。発電利益が安定して見込めることで、原木、製品価格にも影響してくる。実際に九州では中国木材日向工場の付けた原木価格が地域全体をリードし、周辺ではそれに応じた相場になっている。

 西日本編では中国木材、銘建工業、兵庫木材センター、ウッドファースト徳島工場、山長商店、かつら木材商店、院庄林業、大林産業、八幡浜官材協同組合、久万広域森林組合、サイプレス・スナダヤ、池川木材工業、玉名製材、ランバーやまと協業組合、佐伯広域森林組合、佐藤製材所、木脇産業、外山木材、ネクスト、瀬戸製材、吉田産業、持永木材、松本木材、山佐木材を取り上げた。