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新聞の特集
2016年11月 防腐・不燃木材特集

防腐、防蟻処理木材は、近年の木材需要の変化に合わせて変化している。主力の防腐土台の分野では、ムク材中心の処理から、集成土台にも防腐処理が施せるようになっている。また長期優良住宅の観点から、土台以外に構造材全体に防腐処理を施す要望も増えており、これに応えられるように技術も進歩してきている。一方、不燃木材は東京五輪の施設整備などで注目されているが、市場としては確立しておらず、品質管理や基準整備に向け相次いで団体も発足している。
 
ザイエンス

 住宅長寿命化へ総合的に取り組む

ザイエンス(東京都、荒井浩社長)の防腐・防蟻処理住宅用土台・大引き生産は昨年度10%伸び、新設木造住宅の土台・大引きに占めるシェア(本紙推定)は20%強になる。防腐・防蟻処理土台、大引きは同社の全8工場から供給する。今秋には北海道向けに室蘭工場で北海道産カラ松OP集成土台(AQ認定、JAS K3相当)の製造も始めた。来春には18億円を投じて移設した仙台製造所の稼働も予定している。関東工場では新倉庫を建設し、ホームセンター向けなど新需要分野の強化にも取り組む。


 
ザイエンスのOP集成土台
 
兼松サステック

 COC取得で施設案件狙う

兼松サステック(東京都、高崎實社長)同社の特徴である乾式加圧防腐・防蟻処理を生かして供給量を伸ばしている。防腐・防蟻処理木材における供給樹種としては、Rウッド集成材、米松、米ツガ、カラ松集成材が中心で、防腐土台での供給が主力だ。防腐土台では、水溶性の湿式処理も行っているが、同社の特徴は乾式加圧防腐・防蟻処理。近年ハウスメーカー、ビルダーでの採用が多いRウッド集成土台の供給を増やすことで、支持を得ている。最近では、杉集成柱の乾式加圧防腐・防蟻処理柱が増えている。


 
新社屋「兼松サステック」も定着してきた
 
佐々木木材防腐

 環境パイルを委託加工

佐々木木材防腐(群馬県前橋市、佐々木国雄社長)は、注薬缶3基、月間1000立方㍍の生産能力があり、杉間伐材を活用した枕木、ウッドデッキ等の外構材を製造・販売する。保存処理構造用製材のJAS認定工場(ACQーK4)に加え、10月1日付でAQ認証「1種・2種ーCUAZー3」を取得しており、2種類の薬剤に対応している。


 
委託加工を行っている環境パイル工法用処理木材
 
ケボニー

 耐腐朽性を30年保証

バルセロナトレード日本事務所(岡山県津山市、小原冨治雄代表)は、トウモロコシの芯など穀物残渣物から製造したフルフリルアルコールをパイン材に加圧浸透処理し、防腐・防蟻性や形状安定性を高めた木材製品「ケボニー」を日本国内で販売している。ケボニーは、ノルウェーの同名企業が同国内の工場で生産。欧州や中東、オセアニア、アジアの代理店を通じて各国で販売している。


 
ケボニー処理した集成材でロンドン郊外に建てられたツリーハウス
 
鶴居産業

 生産能力を生かし細かく対応

米松丸太挽き製材大手の鶴居産業(愛媛県松山市、青木敬三社長)は、米松製材と併行して、各種木材防腐・防蟻処理も主力事業としており、米ツガ注入土台をはじめ、米松、桧、杉など多様な樹種で木材保存処理に取り組む。米ツガ注入土台以外は委託注入加工を主力とし、土台にとどまらず、ヌキ・胴縁などの野物、羽柄材委託も増えている。


 
米ツガ土台以外の委託注入加工も増えている
ハルキ

 公共施設にも使用可能

製材やプレカット事業を営むハルキ(北海道茅部郡、春木芳則社長)が、病院や駅、公共施設などに使用できる道南杉の内装用羽目板の製造販売に乗り出した。同社は、道南杉を活用した内・外装材製品を数多く製造しているが、内装制限により使用できなかった場所もあった。そこで、準不燃材料・難燃材料の国土交通大臣認定を8月に北海道企業で初めて取得し、内装木材の使用範囲を広げた。


 
道南杉の美観を失わずに準不燃・難燃材料として認定された
 
谷一木材

 多樹種・大断面にも対応

谷一木材(奈良県天理市、谷奥忠嗣社長)は、長浜工場(滋賀県長浜市)で不燃・準不燃木材を製造している。現在は羽目板や天井ルーバーといった公共施設関連の注文が中心で、生産量は毎月約50立方㍍。国土交通省の不燃・準不燃認定はアドコスミック(京都市、遠藤敦彦社長)が取得したものに基づいている。製造方法は含水ホウ酸塩・無機リン酸系複合化合物による薬剤処理、対応樹種は無垢材では杉・桧・カラ松・米松・米ツガなど多岐にわたる。集成材でも杉・桧・Wウッドに対応している。


 
設備増強し、昨年から本格生産している長浜工場
 
モリアン

 公共・非住宅への拡大狙う

各種内装仕上げ材製造・販売のモリアン(大阪府岸和田市、森庵充久社長)は薬剤を内部に含浸させた不燃処理木材、ダイライト(火山性ガラス質複層板)を基材とした不燃内装材の木質系2本立てで内装不燃需要に対応、また、ゾノライト系非木質内装部材についても幅広くそろえる。店舗内装を主力に販売しており、今後、公共木造建築、非住宅木材建築などに提案領域を広げていく。


 
ダイライトを基材とする不燃木材「クラフトマンウォール」のウォールナット仕様内装施工
 
ダイナガ

 EPS断熱材で断熱機能も付加

 EPS防蟻断熱材製造・販売大手のダイナガ(大阪市、小原孝之社長)は、木造住宅を、土壌や基礎から1階壁回りまで完璧に防蟻断熱する防蟻基礎断熱工法「オプティ・アンチターマイト・システム」(防蟻基礎断熱工法)を開発するとともに、同工法で施工した木造住宅等に対し10年保証を開始した。同社の規定に基づき施工された物件に対し、白アリがオプティ商品を貫通して建物が損傷をこうむった場合、上限500万円まで10年保証するもの。


 
基礎から徹底して防蟻・断熱を行う
 
加賀木材

 品質管理体制を構築

加賀木材(石川県金沢市、増江世圭社長)の杉の不燃木材「もえんげん」は発売以降、約200件以上の導入実績があり、公共施設をはじめ駅や店舗・商業施設など全国的に展開が進んでいる。7月には不燃木材と能登ヒバ製品の需要拡大に向け「のと里山工場」を建設した。もえんげんは「燃えない」を意味する金沢方面の言葉で同社は認定基準を満たさない製品出荷を防ぐため、機械整備を充実させて管理体制を徹底した。


 
比重自動測定ラインで品質管理を強化

 
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