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強度表示木材

中国木材

米松KD、集成材の品質管理を徹底ドライ・ビームはすべてに数値を表示

 

 中国木材(広島県呉市、堀川保幸社長)は全ての乾燥・集成材工場でJAS認証を取得し、一貫した生産システムと品質管理を行っている。本社工場(広島県呉市)と郷原工場(同)には強度と含水率を測定するグレーディングマシンをそれぞれ1台ずつ設置し、鹿島工場(茨城県神栖市)は3台設置している。同社が開発した米松乾燥材の「ドライ・ビーム」(商品名)は1本、1本の製品に強度(E110以上)、含水率(SD20%)の表示とともにシリアルナンバーも印字している。工場で何時プレナーを掛け、どの乾燥機で乾燥したかなど製造工程が確認できるので、問題が発生した時に、そのスケジュール内容が分かるシステムだ。顧客の要望に応じて、数年前から新既製品サイズとして3.7、4.6㍍の尺モジュール対応やE150も可能な限り生産を図る。

協和木材

国産材の供給では最大KD柱角は全数表示

 

 協和木材(東京都、佐川広興社長)は杉のKD柱角の全量を機械等級区分構造用製材のJAS認定に基づく強度表示木材として供給している。丸太消費量は年間24万立方㍍に上り、機械等級JASの出荷量は国産材で最大。機械等級の取り組みは早く、JASに機械等級ができる前はJIS規格に基づく試験方法で強度表示に対応していた。当初は現在ほど機械等級は求められていなかったが、PL法で製造物責任が厳しく問われる時代の流れのなかで、企業防衛の一環として取り入れた。

カナダツガ・パートナー協会

大型建築での利用に期待「E120-F330」は国内トップ級の性能誇る

 

 商品特集カナダツガ「E120-F330」は国内トップ級の性能誇る「カナダツガE120」は、カナダの格付規格であるJPS1―05が日本の木造住宅向けに作った規格で、上位等級材である「カナダツガE120-F330」は強度表示木材としては国内トップ級の性能を誇る。E120は2001年に、E120-F330は06年に国土交通省の大臣認定を取得し、JASの目視等級区分構造用製材と同等もしくはそれ以上の品質と性能が認められている。曲げ・圧縮・引っ張りの各強度に優れており、同材を使用することで大スパンが飛ばせるなどの利点が得られるため、木造大型建築でも利用拡大が期待されている。

大野製材所、トラパ、西濃木材

白木の無地材でE150を実現BC州沿岸産地から高強度挽き板を調達

 

 構造用集成材製造大手である大野製材所(兵庫県姫路市、大野義人社長)はE150強度のカナダツガ構造用集成材の開発、安定的な供給に取り組んでいる。同社はかねてからウエスタンフォレストプロダクツ(BC州バンクーバー)のカナダツガを原材料とした構造用集成材製造販売実績がある。

院庄林業

安心・安全コンセプトに製品提供桧ムクで表示が7割超える

 

 院庄林業(岡山県津山市、武本哲郎社長)は久米工場の桧専門国産材製材の久米工場で背割りのない柱や土台角製品の「匠乾太郎」を製造している。製材JASの機械等級区分のAタイプ認定を取得済みで、3年前から全量機械等級区分による強度(ヤング係数)や含水率の管理を徹底。1本ずつシリアルナンバーを印字して製品管理しているため、製造日等の情報を遡ることができる。

二宮木材

杉KD平角が順調な伸び機械等級JASでブランド力向上

 

 二宮木材(栃木県那須塩原市、二ノ宮泰爾社長)は杉のKD平角「やみぞパワー」で11年に機械等級区分構造用製材のJAS認定を取得した。現状は差別化を図りたい中小工務店が化粧梁として使うケースが圧倒的で、機械等級区分JASとしての出荷は公共建築など一部に限られるが、地域型住宅ブランド化事業や米松KD平角の値上がりを受けて引き合いは順調に伸びており、生産量はそれ以前に比べ倍増しているという

丸川木材

地域型住宅ブランド化で注文活発表示の有無で価格差をつけるブランド戦略

 

 丸川木材(茨城県桜川市、川那子克己社長)は関東地方では珍しいJAS規格のブランド桧である「葵の郷・桧響(ひびき)」と「葵の郷・石桧(いしっぴ)」の2種類を展開している。関東一円を商圏とし、最近では地域型住宅ブランド化事業に関わる物件での仕事で生産を伸ばしている。

全国木材検査・研究協会

機械等級区分構造用取得の動き数字で明確な強度表示に信頼寄せる

 

 全国木材検査・研究協会(全木検、後藤隆一理事長)は、国内の青森から沖縄までと一部海外のJAS認定を行っている登録認定機関だ。後藤理事長は次のように話している。構造材を生産する製材工場がJAS認定を取得するなかで、機械等級区分構造用を取得する動きが全体的に増えている。12年度末現在では、全木検が認定した製材等JAS認定工場数は484工場(うち海外1工場含む)で、そのうち機械等級区分構造用製材は50工場(同)となっている。また、JASの格付数量でも機械等級区分製材が12年度が55万2000立方㍍で、11年度の44万5000立方㍍を10万7000立方㍍を上回など、機械等級区分製材が年々増えている。

山長商店

高強度の紀州材が特徴製品需要が2割増

 

 紀州材での構造材供給を特徴とする山長商店(和歌山県田辺市、榎本長治社長)は、国産材工場として初めて横架材についての機械等級区分製材のJAS認定を取得しており、国産杉KD平角のJAS製品(強度E70~90、含水率SD20、SD15)を供給。杉KD平角による門型フレームの開発などにも力を入れている。

鶴居産業

E110、SD20適合材を印字データ蓄積、原材料丸太手当等にも反映

 

 米松丸太挽き製材大手の鶴居産業(愛媛県松山市、青木敬三社長)はさきごろ、KD構造用製材及び機械等級区分構造用製材のJAS工場認定(Aタイプ)を取得した。かねて保存処理構造用製材のJAS工場認定も取得している。現在、同社が生産する米松梁桁材は全量、含水率、木材強度が測定され、製材強度E110以上、製材含水率20%以下(SD20)を対象に、自動印字して出荷している。

国産材製材協会

22社がグレーディングマシンを保有機械等級取り入れた自主規格を運用

 

 国産材製材協会(佐川広興会長)は製材生産を手がける27社(会員は28社)のうち、22社がグレーディングマシン(打撃式20社、曲げ曲げ荷重式12社、重複あり)を保有しており、機械等級区分JASに基づく構造用製材の供給に取り組んでいる工場も多い。09年には「ムク材の良さを最大限に生かしながら、集成材の優れた精度と品質に近づけること」を目標に、機械等級JASをベースにした協会独自の自主基準も作成した。

兵庫木材センター

厳格な自己選別基準でハネを出さない受注拡大に対応、生産体制を強化

 

 11年から本格的な国産材製材を開始した兵庫木材センター(兵庫県宍粟市、八木数也理事長)は、今後の丸太投入計画を日産300立方㍍、年換算で9万立方㍍規模に引き上げていく。絶好調の製品受注に加え、強力な国産材振興施策を追い風に、「森林王国宍粟」の国産材拠点として素材生産から製材、2次加工まで一貫した事業展開を進めている。マイクロ波含水率計、打撃式木材強度測定設備を駆使し、徹底した品質管理に取り組んでいく。

愛媛プレカット

より信頼度の高い構造材供給を目指して将来的なJAS工場認定も視野に

 

 木造軸組プレカット大手の愛媛プレカット(愛媛県松山市、鶴居美香子社長)はかねて含水率測定、モルダー加工機と連動した打撃式、曲げ式の木材強度測定設備を設置し、取引先に対する供給構造材の品質を担保する取り組みを進めている。プレカット工場でこうした設備を持つケースは極めて少ないが同社では「取引先のビルダー、工務店に対し、より信頼される構造材を供給できる体制を整備することで、取引先から選ばれるプレカット工場を目指す」(鶴居社長)と語る。

ザイエンス

品質、性能などきめ細かく表示OP処理は全8工場で製造

 

 木材保存処理大手のザイエンス(東京都、田中隆行社長)は、住宅用土台をはじめとした木造住宅用構造材の耐久性、構造安全性等を担保するため、自社研究施設で徹底した物性試験を行い、製品開発を進めるとともに、品質や性能等の表示もきめ細かく対応する

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