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「合板の日」特集

 11月3日は「合板の日」だ。1907年に故・浅野吉次郎が近代的なベニヤレースで合板を初めて製造したその日であり、合板博物館が昨年制定した。第2回となる今年は4日に式典を開催し、講演会などが催される。 合板には107年の歴史があり、原木供給と需要さえ叶えば今後もまだまだ発展する可能性を秘めている。しかも合板の歴史100年を経て、ようやく国産針葉樹合板全盛の時代を迎えた。その一方で製品用途は戸建ての構造用に傾斜しているため、メーカーは日構造用への取り組みも進め始めた。 
第1部 国産針葉樹合板

 国産材針葉樹合板の全盛時代へ

 

 合板産業は原料である原木確保の歴史であり、合板メーカーは原料特性と市場のニーズ(コストや性能品質)に合わせた製品開発を続けてきた。  13年の国産普通合板における針葉樹合板比率は93%となり、そのうち国産材比率は72・6%にまで増加。合板107年の歴史において、初の国産針葉樹合板全盛時代の幕開けだ。しかも林野庁は「森林・林業再生プラン」において、合板における国産材使用量を現在の年間300万立方㍍から15年の同400万立方㍍、20年の同500万立方㍍へ引き上げる計画を立案。国産針葉樹合板拡大への期待は強まるばかりだ。

厚物合板

 生産効率の向上進む

 

 メーカーは、価格競争力を持つとされる杉を多用できることがコストメリットにつながっている。ただ生産性はメーカーごとの機械設備によって異なるようだ。例えば24㍉厚の場合、メーカーによってプライ数は7と9に分かれている。プライ数が少ないほど接着剤の塗布面は減るが単板の厚みが増し、含水率の高い杉単板は乾燥効率が比較的低い。そのためメーカーはドライヤー能力に合わせて製品を構成する傾向が強い。ただ単板を薄くして9プライにしても、接着剤の塗布面は増えるため難しいところでもある。しかし単板が厚く剥けてドライヤー能力が高ければ生産性は確実に向上するため、メーカーは少しずつ機械設備の増強を進めている。

非構造用合板

 杉15㍉厚型枠用の壁

 

 針葉樹塗装型枠用では、全層杉15㍉厚の開発・拡販に非構造用合板の需要拡大を期待する合板メーカーが幾つかある。一部メーカーがその開発を進めていたが、強度は12㍉厚の国産カラ松・杉複合と大差なく重量は軽い。しかし15㍉という厚みが既存の南洋材合板12㍉厚と現場で混在すると、型枠の建て込みに支障を来す。桟木やパイプで型枠を押さえて建て込む際に、型枠の厚みが違えば仕上がりに段差が生じかねないからだ。1つの物件全てを15㍉厚に統一するか、12㍉厚と区別して使い分ける必要があるわけだ。

長尺合板

 長くて薄い3プライの特性

 

 長尺合板は為替が円安に振れた今、メーカーにとって難しい局面を迎えている。長尺は3×6判より長手方向に8、9、10尺と面積が広い分、9㍉厚にすることで耐力強度を維持させながら極力その重量の軽減に努めている。24㍉厚3×6判スタッドレスの普及が遅れているのも、その重さ故の作業性に難点があるとされる。職人の高齢化が進むなか、重量が施工性を左右するわけだ。特に平面の動きに比べて、壁面材のような縦の取り回しは重い資材ほど難しい。

 

第2部 コンクリート型枠用合板

 転用増加で塗装が普及

 

 現在、塗装型枠用合板はマレーシアからざっと月間3万立方㍍前後、インドネシアから同1万立方㍍前後供給されている。全国的には3×6判が主流だが、高層建築物が多い首都圏では3×6判より軽いこともあって昔から2×6判が多い。そもそも塗装型枠用は、木材の糖分によるコンクリートの硬化不良を防ぐために塗装されたのが始まりだ。

第3部 型枠納材問屋特集

 脱・家業を果たし生き残り

 

 型枠納材問屋はコンクリートを用いた大型建築物や土木工事の型枠施工を行う型枠工務店に、塗装型枠合板を中心とした型枠関係資材を納入する。桟木を中心とした木材卸しの出自を持つ問屋が多く、昔は木材の目利きとして小規模工務店に卸していた。木材卸売業の縮小とともに合板商いを拡大した問屋が100人からの型枠大工を抱える中・大規模型枠工務店に納めだし、バブル景気前後までは納材屋も数多く存在した。

 

大一木材

 多様な商材で変化に対応

 

 1873年創業の大一木材(東京都、大宮匡統社長)は、多様な建設資材を取りそろえている。前期は年商63億円で型枠用合板と桟木が主力だが、その他副資材の販売強化もあって売上高を伸ばしてきた。また東日本大震災後には、復興支援に役立てるよう東北営業所を開設。またこの10月には東海営業所を立ち上げた。ここ2~3年の間に営業マンが同地に足繁く通うなかで顧客が育ってきたため事務所を設立、本格展開を開始する。

秋山商店

 地の利生かし効率営業

 

 材木屋として1948年に創業した秋山商店(東京都、秋山悟社長)は、月間約2000立方㍍前後の型枠合板を取り扱い社員は5人。第三京浜道路に近い立地を生かし、顧客の多くは神奈川の型枠工務店だ。限られた人員で多くの営業と配達をこなすには、自社から近くに商圏があればその効率も上がる。2代目社長として34年もの間同社を引っ張ってきた秋山社長は「中小企業は経営者自身がトップセールスマンでなければ成り立たない。大切なことは継続すること」だと持論を語る。

吉条木材商会

 多品種少ロットも可能

 

 材木問屋として創業した吉条木材商会(東京都、吉条正明社長)では、いまや売上げの6~7割を合板が占めている。全木連会長で東京木材問屋協組理事長の同社良明会長が1961年に立ち上げ、10年以上前から正明社長が仕入れ業務を担ってきた。

三基型枠工業

 特殊型枠パネル製造を拡大

 

 三基型枠工業(東京都)は型枠のパネル製造業として、1988年に現社長の川村登志達氏が創業した。パネル製造工場を栃木(栃木営業所、特殊加工と平パネル・補助パネルで製造能力月間3万平方㍍)、宮城(三基東日本、同1・5万平方㍍)、マレーシア ビントゥル(KEN PANEL SYSTEM社、2×6判の定尺パネルで同2・5万平方㍍)、山梨(エスピーダ社、合板のプレスがメインで月間売上高2000~3000万円)に展開し、型枠関係資材の販売と合わせて年商は48億円だ。グループ会社に三基物流と三基東日本を擁し、三基物流は代理店へのパネル納材業を主とする。三基東日本は三基型枠工業の東北支店として2012年に開設後、この6月に分社独立させた。同社でも型枠パネルの製造販売を行っている。

木場ベニヤ商会

 少量からアッセンブルして納材

 

 合板などボード類をホームセンター(HC)向けに多く納材する木場ベニヤ商会(東京都、猪俣二郎社長)。先代社長が1940年に材木問屋として東京・深川で創業、1990年頃からベンダーとしてHCと関わり始めた。元来は木建ルート向けの販売を中心としたが、今ではHC向けが売上げの85%を占めるまでに拡大。年商は45億円前後で、正社員は15人だ。

 

東京木工所

 将来に備え営業体質強化

 

 1924年に製材加工場として創業した東京木工所(東京都、栗原能子社長)は、高度経済成長期から型枠関係の納材業を開始。現在、年商50億円前後のうち型枠関係は30億円前後を売り上げる。インドネシアやミャンマーでの植林支援や1992年からはリサイクル事業を通して環境や社会への貢献を目指してきた。