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特集「耐力面材」

 耐力面材が普及する契機となったのは1995年の阪神大震災だった。木造住宅の耐震性が疑問視され、その耐力的な性能向上が叫ばれたからだ。そこで面全体で引っ張りと圧縮強度を同時に担保する耐力壁の採用率が高まり、震災後20年を経て住宅市場では当たり前に使われる建材へと成長した。壁に加えて床構面の水平剛性を担保する厚物合板も急速に普及し、今や圧倒的なシェアを誇る。
日合連 東京・東北合板工業組合

 針葉樹合板の規格整備進む 

 

日本合板工業組合連合会と東京・東北合板工業組合は国産針葉樹構造用合板の規格整備をこの数年間で急速に進めてきた。厚物合板や12㍉厚構造用に関する耐力壁の国交省大臣認定(17仕様)に始まり、昨年4月には構造用を耐震改修で容易に使える建築防災協会の評価も取得(18仕様)。新築と既存住宅に針葉樹合板を用いる際に、不透明であった耐力強度を施工に合わせて明確に数値化し、施工方法の規格化で使いやすくした。 建築基準法の告示ではその仕様が限られており、大臣認定等を取得した理由もそこにある。そこで日合連は大臣認定された17仕様について告示への追加を求めており、これが叶えばさらに針葉樹合板が扱いやすくなる。  

セイホクグループ

 生産量微減も杉利用率向上

 

 セイホク(東京都、井上篤博社長)グループは14年7月から消費増税反動減後の需給調整を敢行し、6月生産比で15%の減産を断行。そのためどの工場も構造用を中心に生産調整を現在も継続しており、生産量は13年比でどこも減少した。ただそれでも単板を減らして機械設備を更新するなどで国産材利用率を高めた工場も少なくない。非構造用合板に関してはグループ企業間で品目を棲み分けてきたが、本格的に新規需要開拓を押し広げるための抜本的な供給体制の変革も見据えている。日合連が取得した構造用合板の耐力壁大臣認定書の発行件数も増加傾向にあり、この約3年間の総数は1898件と毎年約100件ずつ着実に増加傾向にある。

森の合板協同組合

 「森のヒノキ」シリーズが好評

 

 森の合板協同組合(岐阜県中津川市、井上篤博代表理事)は、国産材合板工場として構造用合板の製造を行っている。特に地域材である桧を使った合板シリーズの供給に力を入れており、住宅における床構造用合板(ネダノン)としての採用増加や、建具・家具・型枠の需要増加など、実績を伸ばしている。 同組合の合板工場は、震災直後の11年4月に国産材100%の合板工場として開設した。構造用合板(9~28㍉厚)の量産と安定供給体制の確立に努めた結果、14年度実績は原木投入量約9・6万立方㍍、生産量約301万枚(3×6判12㍉厚換算)に達する見込みだ。 原料丸太の樹種比率は、杉47%、カラ松42%、桧11%で、岐阜県産材を主体に活用している。特に、桧産地である加子母地区という立地を生かして桧材の活用に取り組んでおり、全層桧タイプや中板に杉やカラ松を採用した複合タイプの構造用合板「森のヒノキ」シリーズを展開している。

林ベニヤ産業

 桧を使用した塗装型枠用合板製造で先駆

 

 林ベニヤ産業(大阪市、内藤和行社長)は、針葉樹合板のパイオニアとして知られている。国産材の活用を積極的に行い、地域産材合板を安定的に供給してきた。時期によっては、原木出材量が低迷することもあり、要望に添えないことも度々あった。現在は、木質バイオマス発電関係の影響がすでに出始めており、早期から国産材活用を積極的に行ってきた同社にとって懸念材料となっている。 将来的な住宅着工戸数の減少は明白であり、構造用合板以外の分野での需要開拓を積極的に行っている。国産材型枠用合板は工事関係への出荷が徐々に増加傾向にあり、採用した現場からの評判も良い。グリーン調達の認定を型枠用合板で受け、来年度から富山県などで採用を予定している。 また、国産材を活用した塗装型枠用合板製造にいち早く取り組んできた。約6年前から採用樹種や塗装回数などの検討を開始。試行錯誤しながら、2010年より本格的に販売を行った。「型枠用合板は輸入合板の市場だが、国産材合板のシェアを広げることのできる余地がある。当社は、これまでの材料転換の難しさを味わったが、この経験は大いに役立っている」(同社)。同社では、ハヤシコートとしてフェイスとバックに桧、芯材にカラ松や米松、杉を使用し、七尾工場で生産している。 

丸玉産業

 年内に型枠合板商品化へ

 

  丸玉産業(北海道網走郡、大越敏弘社長)の第1、第2合板工場の月間生産能力はそれぞれ8000立方㍍だが、現在は両工場共に同7000立方㍍の状態が続いている。昨年来の道東を覆う低気圧による寒波で従業員の出勤や夜勤後の帰宅ができない状態が2月ごろまで続いているためだ。計5日は操業時にもかかわらず自然操短を余儀なくされた。 第1工場はカラマツの構造用合板を生産している。9~30㍉の3X6~8、9、10、4X8尺、1,2㍍ものなどおおよその注文に対応している。単板処理の独自製法で、反りのない正寸合板が特徴だ。一部、トドマツを利用した商品は表面が滑らかで、内装化粧用にも利用される程だ。 第2工場はトド松を利用した非構造用合板ラインだ。中でも主力はフロア台板で月間2500立方㍍(9㍉3X6尺)を生産している。2年前から開発した白樺をフェースにした台板も同3000枚程度生産している。台板と並ぶ商品は合板にライナー紙を張りあわせたクロス下地でこれも同2500立方㍍生産している。OEM商品に徹し壁下地として定着してきた。面材(Mクロス)のほか出隅部の(Mコーナー)も次第に引き合いが増えている。  この他、造作用LVL(20~50㍉、3X6~8尺)長尺スカーフ合板(縦接ぎ構造用合板、9~35㍉、3~4尺、1600~4200㍉)、化粧用合板台板などだ。 現在、商品化を進めているのがトド松を利用した塗装型枠合板だ。国産合板のパイオニアとしては何としても成功させたいところだが、「大量にできるものでもなく10万枚まで」(小林永政専務)と述べ、年内の販売を目指している。 丸玉産業は、本社津別工場での合板生産と、舞鶴、茨城工場で建材を生産している。フロア台板の外販はしていないが、自社台板利用したシートフロア「ニドムエコ」を月産6000坪のほか、得意とする大手建材メーカーへのフロアのOEM(商品の相手先ブランド)では同7~8万坪に及ぶ。このほか、天然化粧突き板張り内装材やプリント合板など独自の技術で一定の市場シェアを確保している。 

 

石巻合板工業

 国産材比率80%超まで増加

 

 石巻合板工業(宮城県石巻市、野田四郎社長)は14年も安定的な生産を継続。決算期が12月末であることから、上期と下期を平均すると例年並みの業績に落ち着いた。14年前半は消費増税前の駆け込み需要増で生産量が需要に追いつかず価格的にも高値で推移したが、5~6月は反動で出荷減。そのため収益減となったが、7月以降の出荷は持ち直した。  そのなかで同社は年々国産材比率を高め、13年の75~80%から14年は80~85%にまで伸張。この割合を維持し、さらに増加させるためには山側からの安定的な供給体制が問われてくる。さらに国産材比率を高めるためには、特に長尺合板への国産材利用が必須だ。つまり山側の造材はいまだに2㍍と4㍍が中心だが、これでは長尺に対する歩留まりが悪い。対して米材は8~12㍍までどのような長さでも木取りが可能だ。米松の代替となるカラ松の柔軟な長さ対応と安定供給が国産材比率増加の鍵を握っている。 

ノダ

 透湿性優れた構造用MDF

 

 ノダ(東京都、野田章三社長)が同社清水事業所(静岡市)で製造するMDFのブランド「ハイベストウッド」の構造用面材は性能面と価格・供給の安定性が評価されて近年急速に市場の定着が進んでいる。今後も住宅トレンドにマッチした資材としてさらなる普及にも期待が寄せられている。 サイズは9㍉厚×3×9、10の尺とメーター各モジュールに対応し、壁倍率は在来で2・5と4倍を取得する。性能面として特に強調されるのが透湿性に優れる点で、通期工法が望まれる物件との好相性との見方から仕様化されるケースも多いという。同社の金物工法構造躯体のうち戸建て向けの「P&C-MJ」、中規模物件用途の「BIG-MJ」にも採用されており、躯体への付加価値向上に貢献している。M、P各タイプに加えて防腐・防蟻効果が得られるPATタイプも揃える。

日新グループ

 非住宅分野も視野に

 

 日新グループ(島根県松江市、又賀航一代表)は非住宅を含め販路拡大を目指し、島根合板では3月末に塗装ラインを設置。塗装型枠用合板の製造を開始するなど、取り組み強化を図る。日新は長尺合板を主体に製造を行う本社工場(鳥取県境港市)と第二工場(島根県松江市)、そして本社工場近くには単板を製造する第三工場からなる。効率化を図るためにホットプレスに余裕のできたグループ工場に単板を供給している。単板生産量は月間1万4000~5000立方㍍ペース。昨年には第三工場に隣接して蒸煮施設が完成した。貫生産工場については検討中。四国工場(徳島県小松市)では3×6判、メーターモジュールの針葉樹合板やフロア台板、塗装方沸くよう合板も製造している。国産材比率は75%。湖北ベニヤ(島根県松江市)では針葉樹合板、MDFとの複合合板等を製造している。なお、日新では湖北ベニヤのJAS工場に生産を委託する湖北工場を設けている。島根合板(島根県浜田市)は本社工場と第二工場からなり、3×6判、メーターモジュールを主体にフロア台板や公共向けに塗装型枠用合板も製造している。国産材比率は70%。なお、同社の塗装型枠用合板はこれまで公共向けの地域事業に提供し、塗装は外注に出していた。しかし、円安推移による輸入合板の高騰で型枠用合板の受注が増加していることから、3月末に塗装ラインが完成する。4月から稼働に入る。供給能力は月間2000立方㍍。なお、同社グループの日新バイオマス発電(鳥取県境港市、来海邦夫社長)の木質バイオマス発電所が2月から稼働に入り、3月13日に竣工式が開かれた。発電出力は5700kw。燃料の木材チップは年間8万㌧を使用する。日新グループから出てくる剥き芯や端材等を活用する。このほか、㍉用材は地元チップ業者や森林組合で組織する鳥取県木質バイオマス安定供給推進協議会らが供給する。先行き、同社グループでは非住宅も視野に入れ、コンクリート型枠用合板による公共関係等の土木用資材、LVL造作の製造、あるいは輸出いった取り組みで販路拡大を目指す。

協同組合レングス

 防・準耐火認定を取得

 

防・準耐火認定を取得 協同組合レングス(鳥取県西伯郡、中西康夫理事長)は、注目を集めるCLT(直交集成板)を作り続けて今年で15年目になる。 日本CLT協会(中島浩一郎会長)の発足当初からの会員として普及に努めている。商品は「Jパネル」の商品名で販売している。地元産杉を製材・乾燥した厚さ12㍉の板を幅はぎし、その単板の繊維方向を直交させて3層張り合わせる。製品の厚さは36㍉。 既製品はメーターと3×6判のみ。注文に応じてカット対応も行う。生産能力は月間3000枚で200立方㍍。用途は建築物の床や壁、天井の面材に使用するほか、階段板や机の天板、家具部材としても需要がある。単なる耐力面材としてではなく、杉の化粧材として意匠的に使われることが多い。特に国産材にこだわる工務店や設計士がリピーターとして採用している。 近年、中大規模の木造建築に準耐火仕様で使われるケースが増えているという。そのために外壁30分防火、屋根30分準耐火、床45分準耐火の各構造認定を断熱材やボードと組み合わせた仕様で取得している。耐力は壁倍率2・5倍(釘打ち)の大臣認定取得しており、床4・5倍、屋根(勾配なし)3・3倍などの性能評定を受けている。 昨年ラミナ強度を測定するグレーディングラインを導入。施行されたばかりのCLTのJAS規格の認定を、対象樹種を杉に絞って今月中に申請する予定で準備を進めている。

ニチハ

 「あんしん」シリーズで新築・リフォームに対応

 

 ニチハ(名古屋市、山中龍夫社長)は、耐力面材として新築屋外用の「あんしん」と同屋内用の「あんしんN」、リフォーム屋外用の耐震改修面材「『あんしん』かべ強化」を展開している。「あんしん」では壁倍率5・0仕様の投入で耐震性と設計自由度を高めたほか、今年は大壁床勝ち仕様を投入して川下の要望に応えた。 あんしんシリーズの14年度販売実績は約85万坪を見込む。消費増税前の駆け込み需要があった前年度より実績は下回ったが、大手ビルダーなどで安定的な支持を得ている。「あんしん」は9㍉厚の無機質系耐力面材で、壁倍率2・9仕様、釘ピッチで使い分ける同2・5/2・9共用仕様、根太レス床などの床板先行施工に対応する床勝ちタイプの同2・5/3・2共用仕様、同4・4仕様、そして外周部にメッキ鋼板を取り付けて使用する5・0仕様をラインアップ。地震や台風といった外力から建物を守るほか、準不燃材料認定品のため適切な窯業系サイディングと併用すれば「内装なし防火構造」の仕様で設計できる。なお今年夏にはメーターモジュール対応の床勝ちタイプも発売する予定だ 「あんしんN」は、木造軸組工法住宅の内装側専用の耐力面材で、不燃材料認定を取得済み。壁量のアップやバランス調整に最適で、根太レス工法などにも対応。石膏ボードと同様に下地材として壁紙仕上げや漆喰・珪藻土などの塗壁仕上げに使用できる。 「かべ強化」は耐震リフォーム用の外壁下地材。補強用鋼板の使用により壁基準耐力7・9kN/mを実現した。準不燃材料であり、高い耐久性や透湿性、耐蟻性を持つ。施工の際は建物外部から工事するため、住みながら耐震改修と外壁リフォームを同時に実施できる。

 

吉野石膏

 内壁・外壁双方で耐力壁展開

 

 吉野石膏(東京都、須藤永作社長)は石膏系として初の外壁用途耐力面材「タイガーEXボード」を開発、従来から展開する内壁向け新築用の「タイガーグラスロック耐力壁」、ボード用原紙を備えた「タイガーハイパーハードT耐力壁」とリフォーム用「タイガーグラスロック耐震壁」と合わせて耐震と耐火両面を切り口にした耐力壁のさらなる普及に務める。 「タイガーEXボード」は各種技術を投じて耐水性、耐久性を向上させることで外壁として用いることの製品実現させた。壁倍率は在来大壁で2・2(100㍉?ピッチ)と3・5(75㍉ピッチ)。専用ビスを用いる点も特徴で石膏ボードを内壁下地施工の際に用いる自動ビス打ち機をそのまま外壁施工にも使うことができる利便性にも配慮した。内外ともにビスを使うことで近隣への騒音対策としても役立てられる。 また透湿抵抗地が低いことで屋内結露の防止にも貢献。さらに外壁に「タイガーEXボード」を用いることで防火構造を要求される物件に対しても内壁を自在に選択できるようになる。例えば屋内側に防水ボードを設けることができたり、小屋裏、ユニットバス裏への下地施工がいらなくなったりといった現場での省力化にも貢献する。こうした各種性能に関しては大手住宅会社からも高い関心を集めている。 「火に強い」という利点は火災発生時の避難時間を延長させるほか、近年都市部の木造密集地域で懸念が高まる大規模延焼を防ぐ有効な手立てとして注目が集まっている。 内壁向けのうち新築用のタイガーグラスロック耐力壁」、ボード用原紙を備えた「タイガーハイパーハードT耐力壁」のうち前者は高耐力、後者は一般流通する石膏ボードと同様の扱いができるボード原紙とニーズ別に2種を展開する。間口、間取りを考慮すると壁がどうしても少なくなりがちな狭小住宅や大規模建築などでも引き合っている。

三菱商事建材

 充実の性能面に評価

 

 三菱商事建材(東京都、沢田武一社長)が販売する無機系ボード「モイス」の耐力壁「モイスTM」は内装壁用途と同じく原料の鉱物資源バーミキュライト由来の不燃、調湿、消臭・防虫・防蟻各種性能と備えており、大手から地場工務店まで幅広いリピーター獲得を実現している。 尺とメーター各モジュールに対応し、計23に上る防耐火認定で多くの案件に採用される取り回しの良さが評価される。中でも小屋裏、天井裏の内装被覆を不要とする防火認定は住宅生産時のコストに敏感な大手を中心に注目を集め、木材を外装仕上げとする防火認定は、こだわりある工務店筋からの要望に一役買っているという。透湿抵抗値も低く、壁内結露防止にも貢献する点もメリットだ。調湿・消臭性能の高さはカット端材を専用袋に入れ、床下や下駄箱に設ける事例も増えてきていることが裏付けている。壁倍率はCN50釘使用で在来軸組が3・8、枠組壁工法が4・0と高倍率を取得済だ。

ザイエンス

 住宅の耐久性向上へ、1回壁回りの防腐防蟻性能向上を

 

 木材保存処理大手のザイエンス(東京都、荒井浩社長)は、木造住宅全体の耐久性能向上が、今後極めて重要になるとの考え方に立ち、1階床回り構造材等の防腐防蟻処理にとどまらず、1階壁回りの各種耐力面材を含めた全体的な防腐防蟻性能向上を提案する。 そのために、木材保存処理にむらが起きやすい現場塗布ではなく、工場で均一な面材等の表面処理を行うことが重要と語る。積極的に各種面材の浸漬保存処理施設投資も進めており、構造用合板等の耐力面材だけでなく、1階壁周りに使用する在来工法用間柱や2☓4住宅用SPFスタッドなど幅広い木材製品を対象に工場処理を行う製造体制を整備している。 浸漬装置を使用した同社の木材保存処理方法は「木材を薬剤で部分的に処理する木材処理装置及び木材処理方法」として特許を取得しており、自動浸漬装置により、構造用合板等の耐力面材、在来軸組工法間柱等の羽柄材、2☓4工法のスタッドなど幅広い木材製品を対象に、工場内で防腐防蟻処理を行っている。 浸漬装置は機械により自動的に薬剤漕に浸漬し木材表面を防腐防蟻処理するもので、厚物構造用合板、20㌳の長尺構造材でも全面浸漬処理が可能だ。構造用パーティクルボードについては同社工場内でOP木材保存処理薬剤を手塗りする。今後は増加傾向にある在来、2☓4工法壁パネル、床パネル部材の防腐防蟻処理にも力を入れていく。 設備は現在、関東工場(群馬県)、大阪製造所(大阪府泉北郡)に設置されており合計で月間2000立方㍍規模の浸漬保存処理が可能だ。現在、新たな保存処理薬剤を用いた浸漬処理手法についても研究を進めている。  

広石産業

 実績あるCLT設備を提案

 

 木工機械商社の広石産業(広島市、石本英昭社長)は、欧州で急速に普及が進むCLT(直交集成板)の製造ラインを日本向けに提案する。CLT製造ラインで圧倒的なシェアを誇るレディネック社(スロベニア・マルボール市、パベル・レディネック社長)と提携し、同社の日本の輸入代理店を務めている。 同社幹部が来日した昨年、国内の集成材・製材メーカーを共に訪れ、各社のニーズを聞いた。それを元に数社の引き合いに対して具体的な提案の準備を進めている。 レディネック社はラミナを構成するFJから積層プレス、プレーナーによる仕上げまでの一貫ラインを供給する。広石産業は日本仕様として構造用集成材で実績ある水性高分子イソシアネート系接着剤をベースに提案する。広石産業はミクソン社(スウェーデン)の代理店として接着剤塗布機を国内で90台以上販売し、多くはイソシアネート系接着剤を使っている。そうした実績に裏打ちされた接着剤に関する知識やノウハウが武器だ。 日本のCLTの製造ラインは1シフト年間5万立方㍍の生産量が基準となるが、最小ユニットで8000立方㍍規模も可能という。 FJラインは長さ300~3000㍉までの1ピースを12㍍長にまでつなぐことができる。FJカッター部は1㍍長で毎分120本の処理能力を誇り、コンポーザーを含めた処理能力も毎分120㍍。クランプ式で材料を送るためトラブルが少ないのも特徴だ。 欧州のCLT建築ではNCによるパネル加工がボトルネックになっている。その対策として優れた能力の加工機を欧州メーカーとの連携により対応するという。

APAエンジニアード・ウッド協会

 カナダ産OSBで大臣認定取得

 

 住宅性能表示制度創設や長期優良住宅の認定制度が開始してから、施主が住宅に求める性能はさらに高まり、なかでも耐震性向上は重要項目の一つとして認識されている。 住宅金融支援機構調査によると、07年の耐力壁は23%が構造用面材だったが、5年後の12年には42%へ上昇。その後も建築物の耐震性向上には年々関心が集まっており、20年には省エネ基準適合住宅の義務化の動きも加わり、引き続き面材利用は増加傾向を示していく見通しだ。 このなか、OSBの普及促進に取り組んでいるAPAエンジニアード・ウッド協会では、OSB耐力壁の大臣認定を取得。木造軸組構法と枠組壁工法のいずれに対しても、会員メーカーが耐力壁ニーズに幅広く対応できる体制を支援している。 これまでAPAが取得した認定は、木造軸組構法で4つ(大壁仕様で4・1、3・2倍、大壁・床勝ち仕様で3・8倍、真壁・床勝ち仕様で3・4倍)、2×4工法で2つ(4・7倍、3・6倍)。いずれも厚みは9㍉となる。 

 

エインズワース

 日本市場で市場シェア維持

 

 カナダ大手OSBメーカーであるエインズワース(BC州バンクーバー、ジム・レイク社長)グループは、国内OSB市場でトップシェアを誇っている。日本向け輸出販売窓口はインターレックス・フォレスト・プロダクツ・ジャパン(東京都、峯岸一也社長)で、OSB需要の掘り起こしや技術支援、製品普及に取り組んでいる。  昨年の販売実績は約21万立方㍍で、前年比横ばい。日本が輸入したOSBは約27万立方㍍だったため、同社シェアは約78%に上る。昨年販売量のうち、90%は住宅向け、残りが梱包用となる。 住宅用(数量ベース)で壁下地が60%、野地が20%、床下地が20%を占める。販売面は直需と木建ルートで半々となり、地域ごとの販売量もうまくバランスさせて安定感がある。 エインズワースのOSBは高い壁倍率を取得しており、住宅の耐久性や耐震性を引き上げることができる。他資材比較で、OSBは9㍉厚で壁倍率がもっとも高い。 むろん他資材でも釘の径を太くしたり、釘間隔を狭くすると高倍率を取得できるが、その分下地ダメージも大きくなる。このため、同社OSBの高壁倍率は建築現場の視点で使い易い配慮ともなる。 また、同社では厚物OSBの「TAI-Q床」で販売の手応えを感じている。テーパーエッジ加工で不陸の問題を解消した商品で、一度利用した顧客がリピーターになることからも品質評価が高いとし、特に24㍉厚で引き合っている。 ただ、厚物OSBも直近は競合する国産針葉樹合板の値下がりがあり、価格戦略をどう展開していくかが今後の課題となる。 OSBの普及促進では住宅向けにとどまらず、幼稚園や老健施設などの非住宅分野にも積極的な営業提案を実施している。中層大規模物件ではOSBを面材利用するだけでなく、梁部材などとしてI型ジョイストを採用するケースも増えつつある。フランジにLVL等、ウェブにはせん断力が高いOSBを活用することが多くなっている。 日本向けの生産工場は、グランドプレイリー工場と100マイルハウス工場(共にJAS認定取得)で、原料はアスペン等の早生樹を用いる。ハイレベル工場はJAS取得を予定しているが、ノーボードとエインズワース合併後に詳細が煮詰まっていく見通しだ。 両社は昨年末、合併することで合意した。エインズワースはアジア市場を重要視してきたが、これはノーボードも同様で、合併後の日本向け販売は引き続きインターレックスが販売していくことで合意済み。

ウェアーハウザー

 日本向けは2万立方㍍規模に

 

 北米林産大手ウエアーハウザー(米国ワシントン州)は日本市場向けのOSB販売を強化している。3年前から日本市場へ本格復帰しており、昨年実績は2万立方㍍強まで市場規模を拡大した。同社は12年2月にカナダ・サスカシュワン州のハドソンベイ工場でJAS認定を取得し、日本向けは全量カナダ産で供給している。日本市場では壁用途がほとんどで、全輸入量の約70~80%を占め、残りが野地などとなる。ハドソンベイ工場は8、9尺可変プレスを備え、日本向けは9尺で生産して3尺幅を効率良く供給できる。日本向けは12㍉厚3×6判、9㍉3×8、9、10判をレギュラー品で揃える。日本向けは貸家メーカーなど直需が70%を占め、残りが木建ルート。今後はより一層の認知向上と市場拡大を図り、当面、年間4万立方㍍の販売量に引き上げる目標。同社は北米で6つのOSB工場を稼働させており、年間OSB生産能力は270万立方㍍と莫大な生産力を誇る。現在はいずれの工場もフル生産で、特に北米市場で評価が高い住宅床下地(商品名=エッジゴールド、実付き)の引き合いが絶好調だ。工場側も儲け頭の床下地の生産意欲が高いが、日本向けを供給するハドソンベイ工場はエッジゴールド用のサンディング機を設備していないこともあり、日本顧客に支障をきたすようなことはない。ハドソンベイ工場は年間40万立方㍍のOSB生産量で、原料は工場半径200㌔圏内から集材したアスペン。原料は非常に豊富で、持続可能で安定的な生産活動を担保している。製品は、国際的な森林認証制度であるPEFC認証も取得済み。

クロノプライ

 住宅・非住宅の壁用強化

 

 欧州の木質ボード大手、クロノスイスグループは世界7カ国で計10工場を操業している。傘下のクロノプライ(ドイツ・ハイリゲングラーベ、ウエ・ユースト専務)は1993年にクロノテックスとしてMDF生産を開始し、3年後の96年には別会社でHDFフローリング、2001年にクロノプライでOSB生産を始めた。 欧州メーカーのため、世界的な森林認証制度であるPEFCやISOシリーズを取得しているほか、03年には日本向け構造用パネルでJASを取得した。同社OSBは表裏層とコア層ともに100%非ホルムアルデヒドの接着剤であるPMDIを使用している。ホルムアルデヒドを介在しないため、もちろんF☆☆☆☆で居室の空気環境対策となる。 主原料は欧州アカ松で、工場の月間生産能力は4万立方㍍で安定している。連続プレスとPMDI、バージン原料の3つを揃えるため、同社製品は高品質で安定的な供給が可能。特に厚み精度が高いことが魅力となる。 日本向け供給量(数量ベース)で60%が壁下地(9㍉厚3×8、9、10判)、屋根下地やホームセンター向けが20%、残りが床下地(18、25㍉厚3×6判)などとなる。 同社製品の日本販売総代理店はウッドリンクス(東京都、高野寿明社長)。

ホクシン

 構造用MDF分野での販売量拡大を目指す

 

 ホクシン(大阪府岸和田市、平良秀男社長)は、MDF専業メーカーとして40年以上に亘り培ってきた技術と経験、ノウハウの強みを活かし、木質ボードの需要拡大に努めている。現状の月間生産能力は、3直3交代でスターウッドが9500㎥、同TFBが4800㎥、合計1万4300㎥。柔軟な生産体制を整備し、顧客の要望に対応している。構造用スターウッドは、透湿性や防腐防蟻性、耐久性、リサイクル性などを特徴に持つ。そして、壁倍率は高倍率タイプで枠組壁工法3・6倍、軸組直張工法4・0倍だ。今年の需要動向は厳しい見方をしており、新たな販売ルートチャンネルを得ることでの構造用MDF分野での販売量の拡大や、非住宅分野でのMDF単体の置き床基材の販売量の増加など、需要開拓に力を注いでいる。 製造過程では、リファイナーやドライヤーなどの電力使用量・LNG使用量の削減など、省エネによるコスト削減を推進させる。また、原材料削減策として、セグメンタルスキャルパーを1台導入する。5月連休中に設置を計画しており、品質のばらつきを減らすことによりコストダウンにつなげるという。さらに、社員の世代交代をスムーズに行い、各年代を各ポジションに配置し、適材適所の人事を行う。知識や経験を積んできた社員から若い社員へこれをどうつなげるのかというのも会社継続には重要なことである。この考えにより、同社では、チーム制をとり、コスト削減や品質向上など、各ポジションで成果を上げていくという体制を構築している。

大倉工業

 今秋までにプレス段階月産1万㌧へ

 

 大倉工業(香川県丸亀市、髙濵和則社長)建材事業部は今秋までにパーティクルボード生産高をプレス段階で月間1万㌧、製品出荷で同9000㌧体制とし、15年12月期における建材事業部の営業黒字達成を目指す。「14年4月の消費増税による需要の反動減でベストのシナリオに対する下振れはあったが、建材メーカー向けフロア基材向けも本格化してきた。主力となる住設基材向け台板は従来通り、今年度の生産拡大分はフロア基材などの需要分野への安定供給に向けていく。構造用については慎重に取り組んでいるが、同様に重要な需要分野であり、しっかり売っていける体制をとっていく」(建材事業部)と語る。 同社のPB生産高は12年12月期下期の月平均3000㌧を底に、14年12月期下期は同9000㌧(プレス段階)と急ピッチで回復しており、15年12月期は中期経営計画通り、月次26日稼働でプレス段階1万㌧を第1ステップとし、この生産体制で収益を確保できる経営を目指す。 需要分野別では住設基材となる台板60%、フロア基材40%を計画する。今年度から大手建材メーカー向けフロア基材の本格供給が開始された。「フロア基材は物性面でも厳しい性能が要求され、当社も耐久性能、耐傷性能をはじめ、徹底した検査、確認を行い、使えるとの判断をいただく段階まで来た。14年度フロア生産比率は20%程度であったが、生産拡大と連動する形で、この比率を高めていく」(同)方針だ。 構造用PBについては戦略的な需要分野との認識で取り組むが、具体的な数値目標は定めず、品質の確かな製品を安定供給するところから取り組んでいく。

 

日本ノボパン工業

 シェアの低い地域へ営業強化

 

 日本ノボパン工業(大阪府堺市、山本拓社長)の構造用面材STPⅡは、関東を中心にシェアを伸ばしてきた。 同製品は、9㍉厚で木造軸組工法や枠組壁工法耐力壁の国交省認定を取得。構造用面材に求められるせん断性が合板に比べ2倍以上あり、より地震や台風に強い住宅を造ることができる。また、耐水性があり降雨などによる水漏れを起こしても木口の膨張がほとんどない。枠組壁工法では、釘ピッチの変更だけで、3・0倍と4・7倍の2種類の壁倍率の使い分けが可能。軸組工法では、直張・床勝ち仕様に対応し、2階バルコニーなども床先行で施工することができるため、安全で効率的な作業が可能となるなどの強みを持っている。 同社は、生産拠点として堺工場とつくば工場を持つ。月間生産能力は堺工場が1万2500㌧、つくば工場は1万500㌧の合計2万3000㌧である。販売量を伸ばしているSTPⅡの月間生産量は5500㌧だ。3月に入り、需要環境の厳しさの影響が若干出始めている。「締めてみれば、出荷量は例年並みかもしれない。本当に需要が落ちているかなどの動向は先々を見ていかないとわからない」(同社)。堺工場では、長さ37㍍の連続プレスを設置し、品質維持とコスト削減につなげた。また、チップの選別の中で、原材料として適さないチップを燃料用とし、400万kWhを発電。同工場全体の電力をまかない、余剰電力は売電している。 STP販売開始から10年以上が経過し、STPⅡの市場での認知度は向上してきた。現在、地域ビルダー独自構法の採用率も横ばい傾向であるため、地域別で面材耐力壁のシェアが低いところを狙い、営業に力を入れている。先行きは、住宅着工戸数が減少していくとはいえ、PBの使用比率を上げるという考えで、地道な営業活動を行っていくという。