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断熱材特集

2020年見据え、断熱仕様の見直し始まる 新築における住宅・建築物の省エネルギー基準は、今年4月に改正省エネ基準(平成25年基準、13年基準)として完全施行された。現在は、長期優良住宅やフラット35Sなど、行政の補助事業や優遇施策を活用する際にのみ求められているが、行政は2020年にこの基準を義務化する予定で準備を進めている。 躯体の断熱仕様を見直す動きも活発化し始めた。省エネ基準を満たす仕様をどうするか、というレベルはもちろんのこと、住宅の省エネ化をどこまで進めるか、どのような仕様で何を使って実現するかの検討を深めている。このような背景を踏まえ、本特集では、断熱材の主な商品とその特徴を一同に紹介した。
旭ファイバーグラス

 アクリアαが省エネ大賞受賞

 

 旭ファイバーグラス(東京都、狐塚章社長)は、ノンホルの高性能グラスウール「アクリア」において、昨年7月、住宅用グラスウール断熱材としては、世界初の超細繊維と世界最高水準の熱伝導率(λ)0・032を実現した「アクリアα」シリーズを発売した。14年度の「省エネ大賞」で資源エネルギー庁長官賞を受賞し、ECHO CITY製品大賞2014でも大賞に選ばれたことをきっかけに、一気に関心が高まっている。

パラマウント硝子工業

 付加断熱の採用ひろがる

 

 パラマウント硝子工業(福島県須賀川市、近藤近衛社長)の住宅用グラスウールは、「ソフール」、「eキューズ」、「太陽SUN」等全て細繊維の高性能品である。同社製品の採用物件では、充填断熱に加え、太陽SUNシリーズを壁外側にも施工する付加断熱の事例が広がってきた。同社の付加断熱は、壁外側に施工するグラスウールの厚みを、25、45、100、200㍉と4段階に分け、求める断熱性能のレベルや予算、地域に合わせて最適な仕様を選択できる点が特徴だ。 

マグ・イゾベール

 リフォーム専用品を発売

 

 マグ・イゾベール(東京都、フランソワ ザビエ リエナール社長)は、2015年4月末、断熱リフォーム専用商品として、「床リノベ」を発売した。床リフォーム用で、点検口から搬入し、床下から根太間や大引き間に充填施工する。床を剥がす工法に比べ、低コスト短工期で、住みながらの施工も可能になる。 省エネ基準以上の断熱性能を持った家づくりに取り組みたいという工務店には、独自のパッシブハウスであるマルチコンフォートハウス(MCH)の提案をしており、取り組む工務店や施工物件が着実に広がってきた。

和翔商事

 ノンホル品へ切り替え開始

 

 輸入建材を扱う和翔商事(東京都、大内俊明社長)は、韓国の化学品・建材メーカーKCCが製造するグラスウールの輸入販売を手がけている。6月から本格的に取り扱いを始めたノンホルのグラスウール「Nature(ネイチャー)」は、還元糖を使った自然素材のバインダーを用いている。一般的なグラスウールと同水準の価格帯で販売できる見込みで、年内には全てネイチャーへ切り替える方針。非住宅はもとより、住宅向けも含めて広く付加価値を提供していきたい考えだ。

JFEロックファイバー

 防露基準強化、アムマットプレミアム人気

 

 住宅用ロックウール断熱材「アムマット」で知られるJFEロックファイバー(岡山県倉敷市、木口満社長)。代表商品である防湿フィルム付きの天井・壁用断熱材「アムマットプレミアム」は、断熱性・耐水性・耐熱性に優れる。防露性能を強化し、デザインも新たにしたことで、昨年から需要が順調に伸びている。改正省エネルギー基準の4~7地域設計施工指針仕様基準に適合する、根太レス工法用断熱材「アムマット床ボードⅡネダレス」の販売強化も図っている。

 

ニチアス

 新ライン順調に稼働上昇、厚物や長尺で需要拡大

 

 ニチアス(東京都、武井俊之社長)は、住宅用のロックウール断熱材「ホームマット」シリーズの製造販売を行っている。13年11月に新ラインが稼動し、既存ラインと合わせた全体の生産能力は従来の約3倍になった。新ラインでは、従来より厚みのある製品や長尺サイズを作ることが可能になった。ホームマットの厚みはこれまで55㍉、75㍉、90㍉、100㍉の4種類だったが、155㍉厚品も作れるようになった。長尺品は、壁の充填時に、天井から床まで継ぎ足しなしで施工できる、2880㍉のサイズを発売した。

エンデバーハウス

 高性能建材リフォーム対応のR2.7も投入

 

 ポリエステルを原材料とする断熱材製造販売最大手であるエンデバーハウス(大阪市、米田賢一社長)の断熱材「パーフェクトバリア」は住宅の省エネ性能で最高ランクの等級4に対応している。新たに発売した「スタンダード13KR2.7」は、熱抵抗値2.7平方㍍・K/W、密度13で、高性能建材導入促進事業リフォームにも対応する。2014年末に同社が中心となって立ち上げられた日本ポリエステル断熱材協会では、2020年の省エネ基準義務化までにポリエステル断熱材のJIS化を目指す。

 

アイティエヌジャパン

 呼吸する羊毛断熱材ウールブレス

 

 アイティエヌジャパン(奈良県大和郡山市、斎藤勉社長)では、2020年の省エネ基準義務化に向け、羊毛断熱材「ウールブレス」の断熱性能向上を検討している。また、リサイクルウールを原材料としたRシリーズの羊毛比率を変更することで、普及価格帯商品の開発も進めていく考えだ。近く、羊毛断熱材各社による協会設立も計画しており、省エネ基準義務化の前に、羊毛断熱材のJIS化を実現することを目指す。

ダウ化工

 スタイロフォームFG、本州での生産準備

 

 ダウ化工(東京都、杉山隆博社長)は押出発泡ポリスチレン断熱材「スタイロフォーム」シリーズの製造販売を行っている。4月に完全施行された改正省エネ基準への対応から、ゼロエネ住宅などの高断熱住宅作りまで、製品からソフト面まで万全の対応をとっている。昨年発売した「スタイロフォームFG」は、断熱性能の最高レベルであるFランク、熱伝導率0・022W/mK以下を実現したもの。生産は札幌工場のみだったが、本州でも採用を検討する住宅会社が増えているため、本州でも生産の準備を進めている。

カネカ

 スーパーEX、採用エリア拡大、床プレカット対応本格化

 

 化学メーカーのカネカ(大阪市、角倉護社長)は、押出発泡ポリスチレン断熱材「カネライトフォーム」シリーズを製造し、子会社のカネカケンテック(東京都、堀江康則社長)が販売している。従来、スーパーE-Ⅲが省エネ基準(等級4)対応などで需要を伸ばしてきたが、2年前に発売したスーパーEXも着実に伸び、今後も上昇傾向が見込まれている。床に充填するカネライトフォームを、大引きや根太間にぴったり収まるサイズにカットして納品するプレカットも、2015年3月から本格的に対応を始めた。

 

JSP

 高性能品で厚物比率上昇、壁充填の需要開拓に挑戦

 

 JSP(東京都、塚本耕三社長)は、押出発泡ポリスチレン断熱材「ミラフォーム」シリーズの製造販売を行っている。熱伝導率0・022W/m・Kの優れた断熱性能を有する「ミラフォームΛ(ラムダ)」は、高断熱住宅への関心を追い風に、ここ2~3年、新規採用が着実に広がっている。ミラフォームの採用は床充填向けが中心だが、現在は壁充填用の「カベンダー(仮)」を開発中だ。2014年には、屋根の外張り断熱の施工手間を軽減する加工品として「ミラジョイント」を新発売した。

ダイナガ

 防蟻断熱工法オプティ・アンチターマイト・システム 

 

 EPS断熱材製造販売大手のダイナガ(大阪市、小原孝之社長)は、住宅基礎部位から1階壁回りまで、同社が製造する防蟻対策製品を組み込んだ防蟻断熱工法オプティ・アンチターマイト・システム(シロアリ防除システム)を開発、本格的な販売を開始した。防蟻MDFと防蟻断熱材(オプティフォーム)のサンドイッチ耐力パネルは、加圧プレスを有する同社の関連会社であるダイナガ化成長浜工場で製造する。適寸対応カット、印字等にも対応する。

アキレス

 付加断熱用途が温暖地へ拡大、遮熱効果にも注目

 

 アキレス(東京都、伊藤守社長)が製造販売する硬質ウレタンフォーム「キューワンボード」は、熱伝導率0・021W/m・K(設計値)の高い断熱性能を有する。同品を使った外張り工法「アキレス外張り工法」のほかに最近では、壁の内側の充填断熱に加え、壁の外側に断熱材を貼る付加断熱工法向けで採用されるケースが広がってきた。同品は、表面が赤外線を反射する遮熱性能の高いアルミ箔仕上げで、夏の暑さが厳しい西日本でも、付加断熱向けの提案力がある。

旭化成建材

 100㍉厚発売、リフォーム用も好調なスタート

 

 旭化成建材(東京都、前田富弘社長)が製造販売するフェノールフォーム断熱材「ネオマフォーム」と「ジュピー」は、世界最高レベルの熱伝導率0・020W/m・Kという高い断熱性能を有する。2014年に竣工した新工場も順調に稼動し、出荷も軌道にのってきた。最近、製品の厚手化傾向が続いているため、2014年11月に、従来品の約2倍の厚みとなる80㍉厚、95㍉厚、100㍉厚を発売した。2014年に発売した断熱リフォーム用のネオマ断熱ボードは、全国で引き合いがあり、好調なスタートとなった。

積水化学工業

 ゼロエネ住宅サポート軌道に、付加断熱の採用広がる

 

 積水化学工業(大阪市、髙下貞二社長)のフェノールフォーム断熱材「フェノバボード」は、熱伝導率が0・019W/m・kと極めて低く、世界最高水準の断熱性能を長期にわたり有する。ここ3年ほど、この優れた断熱性能を生かしたゼロエネ住宅づくりを積極的に提案してきたが、徐々に関心が高まり、寒冷地に限らず西日本まで、フェノバボードを使ったゼロエネ住宅の実績が広がってきた。フェノバボードの用途は床の充填が中心だが、壁の内と外の両面にフェバボードを貼るケースも出始めた。

 

LIXIL

 新「ココエコ」が高評価、補助申請書作成を無料サポート

 

 LIXIL(東京都、藤森義明社長)は、既存の床や壁に真空断熱パネルを内張りする、新しい断熱リフォーム工法「ココエコ」を、12年4月から販売している。14年6月に、壁に貼るパネルを施工性のよい新仕様にした効果もあり、採用が伸びてきた。ココエコの断熱パネルは、高性能建材である真空断熱材をウレタンで包み、石膏ボードと一体化させたもの。経済産業省による、既築住宅・建築物における高性能建材導入促進事業の対象商品であることから、この活用を推奨し、申請書作成の無料サポートも行っている。

野原産業

 Web上で計算代行サービス、「ちょっとプレミアム」な断熱提案

 

 野原産業(東京都、野原数生社長)は、建材メーカーと「ダンネツコラボ」を立ち上げ、高断熱住宅造りについて総合的な提案を行ってきた。省エネ基準(等級4)レベルより上の「TQ5」レベルを独自に設定し、「ちょっとプレミアム」をキーワードに、躯体の断熱性能向上を提案している。野原産業単独では、改正省エネ基準の対応に必要な、外皮性能と一次エネルギー消費量の計算を代行する新しいサービス「外皮計算ドットコム」を開始した。

 

日本アクア

 戸建て向け施工件数3万2000戸

 

 吹き付け硬質ウレタン断熱材(戸建て市場)で首位シェアの日本アクア(東京都、中村文隆社長)の14年(12月期)の木造戸建て向け施工件数は3万2000戸(前期比20.3%増)となり、着工が減少するなかで大幅増となった。マンション、ビルなど建築物向けの14年の売上高も前年比2・7倍の規模となり、売上高の18%を占めるまでに急成長。昨年9月から本格開始しているリフォーム事業も好調で、今期20億円の売上高を見込んでいる。

BASF INOAC ポリウレタン

 充実した計算サポート体制、施工店のリフォーム意欲高まる

 

 BASF INOAC ポリウレタン(愛知県新城市、井上雅之社長)の硬質ウレタンフォーム「フォームライトSL」は、木造住宅用の現場発泡吹き付け断熱材。フォームライトSLを断熱に用いた住宅を「マシュマロ断熱の家」のブランド名で、PRしている。断熱リフォームは、屋根裏または床下に施工業者が潜り、フォームライトSLを吹き付ける工法がある。最近は認定施工店の意欲が高まり、屋根裏に加え、これまであまり手がけてこなかった床下の断熱リフォームも、徐々に取り組み始めた。

エービーシー商会

 簡易施工の発砲ウレタンは、建築現場での必需品

 

 エービーシー商会(東京都、佐村健社長)が販売する断熱材の「インサルパック」シリーズは、簡易型現場発泡ウレタン。サッシ周りや各部材間の隙間、橋脚工事の雨だれ防止の連結部の充てん、保湿・保冷工事のダクトや配管の結露防止など、簡易で使い勝手の良さから建築現場での必需品となっている。2014年11月に1液タイプの新商品である「インサル防蟻フォーム」を発売した。防蟻成分のペーパーミントオイル配合で、木造住宅の基礎付近の気密処理や配管穴の埋め戻しに最適だ。

 

木の繊維

 木質繊維のエコロジー断熱材

 

 木の繊維(札幌市、工藤政利社長)が製造・販売する木質繊維断熱材「ウッドファイバー(WF)」は、道産カラ松や同トド松の間伐材、林地残材をを原料とした、環境保全や地球温暖化防止に最大限配慮したエコロジーな断熱材だ。ホウ素系の化合物を添加して防蟻性能を持った製品や、WFブローイング(屋根裏吹き込み断熱材)も販売している。カーボンフットプリント(CFP)宣言認定や、木づくり森づくりによる地球温暖防止を目指す「木づくり運動」に登録された。