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乾燥機・ボイラグレーディングマシン

 2016年の製材需要を左右する新設住宅着工数は、96万7,000戸(前年比8.3%増)と好環境だった。このため、農林水産省による製材における人工乾燥材出荷量は、342万1,000㎥(前年比8.4%増)で、人工乾燥材比率は36.8%(前年比+2.6㌽)となり、過去5年で最高の出荷量と比率になった。乾燥材の需要の増加が伺える結果となっている。
 今回の特集では、乾燥機メーカーの最新動向を上下2回でまとめた。

新柴設備

 時代の流れに適した設備を供給

 

 新柴設備(北海道旭川市、伊藤徳博社長)は、1955年から乾燥機の製造を開始し、全国各地の製材所に多くの納入実績を誇る。事業開始当初は、道産広葉樹から、現在主力となっている杉、桧、カラ松など国産針葉樹に対応した乾燥機を、導入先の企業の要望を受け入れながら開発した。乾燥機のサイズや温度設定などについても、個々の要望を取り入れて製造している。

ヒグマ乾燥機

 3種の乾燥機を展開

 

 ヒグマ乾燥機(北海道旭川市、鈴木吉彦社長)では、同社乾燥装置HIGUMA-Ⅰ、HIGUMA-Ⅱ、HIGUMA-Ⅲでの3機を軸に乾燥機供給を展開している。これらの商品を、各地での木材需要適したカスタムなども加えた形で提供できることが好評で、全国での販売を拡充している。加えて、メンテナンスや補修事業も踏まえた事業展開も全国的に広げている。

エノ産業

 E-DryⅢ、評価高く

 

 エノ産業(北海道上川郡、小関政敏社長)は、木材皮むき装置で圧倒的なシェアを誇る。乾燥機分野では同社に研究施設を備え、乾燥機の新性能の開発を行っている。これにより、乾燥施設の乾燥炉だけでなく、乾燥環境を制御するシステム開発も同時にできる。木材乾燥に求められる最新の要望にどのような乾燥内容が適切かについての研究もしている。

東北通商

 木質チップ乾燥装置を開発

 

 東北通商(秋田市・青木聡社長)が開発した木質チップ乾燥装置が注目を集めている。木質チップ乾燥装置は、製材工場などで出た樹皮を燃やして熱源にした点が特徴で、既存の乾燥装置に比べ低コストで良質なチップ生産が可能になった。今回開発された木質チップ乾燥装置は、多段式コンベヤーでチップを搬送しながら設定した水分含水率に乾燥させることができる。コンベヤーの段数などはオーダーメイド可能で、価格は同規模の既存装置と比べ4分の1から5分の1。

佐伯広域森林組合

 製品品質の均一さが強み

 

 佐伯広域森林組合(大分県佐伯市、戸髙壽生代表理事組合長)は乾燥機で低温(200立方㍍、山佐木材)1基、中温(同立方㍍、新柴設備)3基、高温(50立方㍍、同)9基体制だ。ボイラは新柴設備の木屑炊きボイラ5㌧を1基、グレーディングマシンは飯田工業のMGH-451を1基所有する。月間乾燥能力は4,000立方㍍だ。杉構造材では製材直後に高温乾燥機で10日間程度、1回処理する。同羽柄材は製材後に1~1カ月半程度の天然乾燥を行い低温、もしくは中温乾燥機に1回だけかけている。

大井製作所

 O-MAXで多様な乾燥材需要に対応

 

 大井製作所(静岡県島田市、田中秀幸社長)では、全国へ300基以上を供給したO‐MAXシリーズを軸とする蒸気式木材乾燥機を展開している。方式は高温式、高温減圧式、中温式の3種類があり、同社では独自のバイオマスボイラーや発電装置まで含めて総合的な提案を進めている。同社の乾燥機シリーズのうち、特に高温減圧式乾燥機(容量8~60立方㍍)は国産材KD材の品質向上に貢献するモデルと位置付けられている。高温でのドライイングセットを初期に短時間行って外部割れを抑え、減圧により工程後半の沸点を下げて高温域の時間を短縮する。木材に極力負担をかけずに、色・材質の変化や臭気の問題を抑える。同社では、非住宅木造建築等に使われる太角の高品質KD化に対応できるとしている。

大気テクノ

 集塵からボイラまで一貫

 

 大気テクノ(広島市、高松幸久社長)は、集塵装置や焼却炉、ボイラなどをプラント設計から製造、施工まで一貫で手掛ける。近年は木材乾燥の燃料を化石燃料から木質へ転換する製材所や、燃料用チップの製造工場、木材加工施設などからの省エネに関する設備の相談が多いという。木材加工施設から引き合いの多いバグフィルターは同社の主力商品だ。レイアウトにもよるが、既存の集塵機からの更新で電気代が2~4割減る可能性があり、投資減税を適用すれば導入のメリットは大きい。

ヒルデブランド

 梁・桁の乾燥に威力

 

  ヒルデブランド(長野県安曇野市、印出晃社長)は、出力40~50KWの小型バイオマス発電機と接続するチップ乾燥機を開発した。8月までに宮城県や秋田県で3台の導入が決まっている。森林のエネルギー活用で小型発電機への関心は高く、今後も需要が見込めそうだ。林業が盛んな地域を中心に、小型発電施設の導入を検討する動きは多い。地域内の素材生産能力に見合った発電規模で、森林整備や地域活性化を目指している。間伐材由来の小型バイオマス発電(2,000KW未満)は、FITの売電価格がkWh当たり40円と高く、廃熱で作ったお湯を農業用ビニールハウスなどで利用することもできる。

山本ビニター

 高品質のスピード乾燥を実現

 

 高周波を使用した誘電加熱装置大手メーカーの山本ビニター(大阪市、山本泰司社長)は、高周波・蒸気複合乾燥機「ディーウェル」で、高品質のスピード乾燥から、ゆったりしたスケジュールによる美しい乾燥など幅広く提案している。特に乾燥の難しい断面の大きい平角の乾燥を得意としている。「同機は、大分方式乾燥材認定工場にも設置され、杉平角材の短時間で高品質な乾燥を実現した」(同社)という。

エーティーエー

 ハエ積み状態でも強度計測

 

 エーティーエー(東京都、前田富士男社長)は、構造用製材用と集成材ラミナ用のグレーディングマシンから、原木強度検査機、マイクロ波含水率敬まで木材性能試験機械を幅広く制作・販売している。先ごろ発表した簡易型原木強度検査機の「ポータブルタイプHG-2020」は、機体の軽量化や持ちやすさを追求し、山土場や原木市場、製材工場などで、ハエ積み状態で簡単に丸太の推定強度が測定できる。

タカハシキカン

 完全燃焼型のバイオマスボイラ

 

 タカハシキカン(名古屋市、高橋宗則社長)は、完全燃焼型のバイオマスボイラー「KTコンビネーションボイラー」を製造、販売している。納入先は、人工乾燥機を持つ製材、集成、家具工場、バイオマス発電所ほかだ。同社のバイオマスボイラーは全てが受注生産で、現在全国で大小合わせて約470缶(基)が稼働している。ボイラーの熱と電気を効率的に活用できるため、顧客には木材乾燥機と小型蒸気発電機を組み合わせた提案にも努めており、昨年は日進工場(愛知県日進市)の試験設備を更新した。

ワールドテクノ

 樹皮や短材を燃料化

 

 ワールドテクノ(広島市、神垣茂社長)は、木材チップや樹皮、製材端材、鉋屑など木質廃材を燃料とする「リサイクルボイラー」を販売している。ユーザーは木材関連企業のみならず、コンクリート関連企業やクリーニング業、温泉施設など熱を必要とする幅広い業種に及ぶ。化石燃料からの転換を図り、燃料費の節約で収益を改善する事例は数多くある。製材所など自社で廃材が出る木材関連企業の導入も多い。定量機で自動投入可能な貫流型RV型ボイラーと、不定形の固形物を燃焼でき、手動で投入する逆燃式ガス化炉のRG型を扱っている。