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処理木材特集

商業施設での利用が広がる

不燃木材に取り組むメーカーの数は増加傾向にある。国産材利用の拡大が政策的に進められるなかで、都市部での木材需要を広げようと不燃対応の商品開発が進んでいる。一般需要は少しずつ広がっており、特に大都市のビルや人口密集地にある店舗の内外装需要は拡大基調が続いている。
 国も不燃木材の技術拡大に向けて支援を行っている。林野庁では国産材の都市部での利用拡大に向けて、難燃処理木材に関するJAS規格の制定を急いでいる。また、経済産業省も地域の産業支援や中小企業の事業拡大の一環として、研究開発への助成や処理方法に関するJIS規格の制定に向けた研究といった動きを加速させている。

越井木材工業

 サーモや処理木材が図書館や駅舎に採用

越井木材工業(大阪市、越井潤社長)のコシイ・スーパーサーモは、薬剤を一切使用しなくても高い寸法安定性と耐久性が付与し、フィンランドで誕生したサーモウッド技術を湿度の高い日本向けに改良した技術で、国内の自社工場生産のため、様々な地域産材・間伐材が利用可能だ。  エクステリア材のマクセラムは、フェノール樹種処理をした単板をLVL化し、デッキ材やガーデンファニチャーに根強い引き合いがある。特に樹脂含浸されているため、ささくれが生じにくい。  防腐・防蟻木材では、米ツガが主体だったが、米松も本格的にやり始めたほか、Rウッドや桧など4樹種を揃えるなど顧客ニーズに応える体制を構築している。

ロンザジャパン

 環境配慮と低毒性の加圧注入用剤

化学品の輸出入、販売を手掛けるロンザジャパン(東京都、長縄達矢社長)が扱う、加圧注入用木材防腐・防蟻剤「タナリスCY」は、世界中で広く使用されている木材保存剤。国内大手メーカーが採用しており、全国で処理木材を入手することが可能。処理木材の用途は土台や柱、梁などの建築用をはじめ、杭などの土木用、ウッドデッキなどの外構用。処理木材は無処理材に比べて野外耐久性は3~5倍に上昇する。 木材用防カビ剤「アンチブルー」も扱っている。現場ごとに最適な濃度を組み合わせて使用する浸漬用防カビ剤で、ニュージーランドやチリのラジアタ松製品で高い使用実績を誇り、現地で処理された製材品が日本にも輸入されている。日本国内挽きラジアタ松製材でも採用されている。

佐々木木材防腐

 中古風枕木が好調

佐々木木材防腐(群馬県前橋市、佐々木国雄社長)は、杉間伐材を活用した枕木、ウッドデッキ等の外構材を製造・販売する。環境パイル工法の委託加工も行っており、JAS認定及びAQ認証を取得している。  杉間伐材を活用した「枕木ポッポ」は、新品枕木を独自製法で中古風に仕上げている。木道・階段・ガーデニング資材などとして使われており、商社等を通じて全国に販売している。同じく杉間伐材を活用した浮造り内外装建材「浮世木」も開発している。独自の「超目出し加工」により、溝が深いのが特徴。外壁材は防腐処理の後に塗装して出荷しており、オークとチークの2色がある。 

ザイエンス

 品質・供給の安定性と多様なニーズへの対応力

ザイエンス(東京都、荒井浩社長)は防腐防蟻処理住宅用土台、大引を同社の全8工場から供給する。ニーズに応じた木材保存処理土台の品ぞろえが豊富な点が強みだ。OP深浸潤木材保存処理は、水を使用しないため木材の寸法精度に優れ、保存処理後の含水率調整や寸法再調整が不要で、特にKD構造用製材や構造用集成材に適している。  新たに板材等にK3相当の高い防腐防蟻性能を持たせる技術も確立し、本格的な需要開発に乗り出した。第一弾として2×4住宅で使用する住宅土台用に、K3相当の防腐防蟻2×4、2×6製材の供給を開始している。最近は、杉などヌキ・胴縁などの野物でも防腐防蟻処理委託需要が増えている。

兼松サステック

 住宅、非住宅両分野ともに安定供給

 兼松サステック(東京都、高崎實社長)は、防腐処理木材を住宅、非住宅の両分野で供給を行っている。主力の住宅分野では、防腐・防蟻処理木材分野の樹種は、Rウッド集成材、米松、米ツガ、カラ松集成材が中心で、防腐土台での供給を行っている。杉集成管柱への処理も増やしている。加えて今後注目される防腐処理合板についても、同社はAQ認証を取得している。  非住宅分野については、大断面集成材や外構部材などの処理にも対応している。FSC、SGECの森林認証におけるCOC認証を取得している。これにより、施設案件などの実績が増えている。今後も体育施設等では、集成材をはじめとして国産材製材の防腐処理する依頼が増えることを予想している。

ニッコー

 住宅用構造材に液体ガラス処理を提案

 

ニッコー(東京都、塩田政利社長)は、塩田社長が、木土構造物のコンクリート劣化防止などを目的に液体ガラス処理技術を確立し、これを応用して木材の耐久性、寸法安定性、防腐・防蟻性能などを向上する技術に応用するため、2004年に設立した。 液体ガラス処理はこれまでに、屋外利用の木材など耐久性、防腐・防蟻性、寸法安定性、防炎性能などが確認されている。ボードウォーク、木橋、遊具、柵、外壁など、屋外で利用される木材の処理で多くの実績を上げており、最近の事例では東急電鉄の戸越銀座駅のホーム屋根の木材部分にも使用された。 加工済みの木材を液体ガラスの溶液を入れた釜で熱を加え、温度差により木材内部に浸透させる温浴法で処理を行っている。処理釜は山梨2、神奈川、岐阜、福島の5箇所にあり、全国約200社の代理店を通じて販売を行なっている。

防火木材利用推進協議会

 抜き取り検査や勉強会、セミナー実施

 

防火木材利用推進協議会は、防火木材のメーカー8社で2016年7月に設立された。木材の防火処理は、薬剤の注入量の確保等の高いレベルの製造技術や品質管理が重要であるため、防火木材メーカーで品質を維持管理し、さらなる向上を目指すために設立された。  活動は、同協議会内に設置した品質検査委員会が会員製品の不定期検査を実施したほか、防火木材の生産技術や品質管理手法を向上させるための勉強会も行った。協議会方針や活動計画などを記載した冊子を作り、関係省庁や諸団体への配布や説明を行った。加えて、設計者や発注者を対象に防火木材の技術、品質管理、事例紹介などのセミナーも開催した。

モリアン

 3方式の不燃内装材で幅広い需要に呼応

 

各種内装仕上げ材を製造販売するモリアン(大阪府岸和田市、森庵充久社長)は、薬剤を木材内部に含浸させる不燃処理木材を製造している。原材料は京都府内産を主力に調達し、日吉工場で製材加工する。長尺材などの別注にも対応できる。主に店舗内装向けに出荷しており、木材利用促進法の制定を受けて、公共木造建築内装分野にも提案を進めている。  ダイライト(火山性ガラス質複層板)を基材とした不燃内装材も取り扱っている。表面に0・2㍉厚ムク化粧単板を張り、表面に鋸目を生かしたラフ、ブラッシング、浮づくりなどの加工を施している。また、ゾノライト系非木質内装部材も幅広く品ぞろえしている。

池上産業

 アコヤの供給増計画、トライコヤを販売強化

 

池上産業(広島県福山市、池上智重社長)が取り扱うアセチル化木材「アコヤ」は、高い形状安定性能、高い野外暴露性能(地上50年・地中25年の耐久性)等の特長を持つ。 アコヤの開発・販売を行っているアクシスグループでは、新たに、アコヤと同様の特長を持つアセチル化MDF「トライコヤ」を開発し、欧州では11年から製造が始まっている。  アコヤは角材と板材だが、トライコヤは面材で、汎用性が高いという特徴がある。欧州では、パネル向けを主体に年間約1万立方㍍が販売されてきた。主に外壁材、破風板、軒天、看板、玄関ドア、野外什器、浴室の間仕切りなどに使われている。サイズは4×8判、厚みは6、9、12、15、18㍉で、PMDI系接着剤を使用しているため、耐水性、耐久性が非常に高い。